2013年2月21日木曜日

会社のたたみ方

会社をたたむタイミングの紹介 
「小さな会社の上手なたたみ方」赤井勝治著
仕事がない・・その業界が衰退業種でこんご仕事が増える見込みがなく減る一方で、会社自体に仕事を作り出していく力もなく、
会社の業績回復が望めない場合。売り上げがたたないので、会社の経営を断念し、会社をたたむ。
赤字が続いている・・・仕事があっても長いこと赤字だ続き。赤字が三期連続で続いているかが一つの目安になります。
「三年連続赤字」これはこの会社の根本的なところから変えないと断定はできませんがいずれ倒産する可能性が高くなります。
さらに、緊急を要するのは、売り上げから経費を差し引いて分で「経営者の給料」が賄えない状況であります。このような状況が
一年も続くのであれば即刻会社をたたむ決断をしなければなりません。経営者個人の生活費調達に高金利の借り入れで賄っていて
破綻するのは明らかなので速やかに決断すべきです。
公的な低金利・銀行での運転資金調達ができず高利の借入に頼らざるを得ない場合などは当然、会社をたたむことを考えなければな
りません。返済のために高金利に手を出してしまう。これはだれしもが陥りがちな行動なのです。このような状況は末期症状で、
いくら働いて仕事をこなし、返そうとしても早期に行き詰ってしまいます。
まとめ・・三期連続で赤字・・・・・三年で決断
     経営者の生活すら賄えない・・・・1年で決断
     運転資金を高金利の借り入れに頼っている・・・・即刻決断

廃業
事実上の廃業でそれまで営んできた事業を廃業することですが、以下のことをクリアしなければなりません。
クリア出来るものであれば、弁護士等の依頼は不要で、代表者自ら手続きします。
ネックになるのは、銀行などの借り入れ、残債が残ってしまう場合ですが3年から長くても5年の分割返済で銀行と交渉し、分割で
返済するようにします。交渉が出来なければ自己破産も考慮する必要も出てきます。買掛金についても同様で、分割で支払える範囲
で交渉、又はある程度のまとまった金額で勘弁してもらうかの話し合いが必要になります。
・借入の返済が完済できるか
・取引先との契約
・売掛金の回収
・買掛金の支払い
・テナントの明け渡し
・リースの清算
・在庫処分
・従業員解雇
廃業できるかどうかの目安としては
銀行の借入が無い。又はあっても少ない金額内であること。(200万円内又は今後3年以内の分割払いで支払える範囲)
取引先との清算ができるか(買い掛金の支払いができるか)
廃業の手順
・現状の事業を縮小しつつ、他の収入原の手立てを探す。
・従業員の解雇を廃業30日前に通知する
・売掛金の回収に努める。
・残った在庫を一掃処分。
・廃業
・解散登記
私的整理(任意整理)
資産・負債の調査
任意整理で会社がたたむことが可能かどうかは、借り入れや買い掛け金の債務とこれらの返済に充てる資産を調査します。
このときに代表者個人のものについては分けて算出します。
金融機関の借入先の調査おいては銀行、ノンバンク(信販会社、商工ローン、消費者金融、街金、闇金)などどのような借入先か。
そして、個人からの借り入れ(親戚、友人、知人)についても当然です。
それぞれの借入先が解れば、その債務残高、支払い期限。さらに担保、保証の有無を明確にしておきます。
・金融機関からの借り入れ
・買い掛金の債務
・リースの債務
・未払い給与
・公租公課
次に会社の資産面を明らかにしておかなければなりません。
・現金、預金
・不動産
・売掛金
・受取手形、小切手
・貸付金
・自動車
・保険
・在庫商品
・機械、工具
・什器備品
すぐに処分した場合の換価金額を算出していきます。
任意整理が可能かどうかの検討
①資産換価合計金額>最低弁済必要額(ア)・・・・・可能
 (ア)の金額は単純に全ての債務金額の合計と交渉によって減額可能性を見込んだ「最低弁済必要額」を計算します。
②①で不可能であっても次に代表者個人の資産・負債も計算に入れた検討を致します。

2013年2月20日水曜日

会社分割

会社分割
(小さな会社の上手なたたみ方)赤井勝治著より
売却する会社を「分割会社」
買い受ける会社を「承継会社」
承継会社がすでに存在する会社の場合「吸収分割」
承継会社が新たに設立する場合は「新設分割」
会社をたたむ場合に利用されるのは通常「吸収分割」
会社がいくつかの事業を営んでいて、その中に一部門だけ採算の取れている事業がある場合や、他の会社がその事業を譲り受け、その会社のた事業と連携させれば採算が取れる等、該当する事業部門だけを分割して承継会社に売却できます。
そして、その売却代金を分割後に残った会社の任意整理のための費用に充てたり、自己破産の費用に充てるなどして、会社をたたむことが考えられます。

承継会社を探す
経営者自らが探し、地元の商工会議所、取引銀行等の中小企業のM&Aの相談窓口や、中小企業のM&Aの仲介業者を利用する。
承継会社が見つかれば、次は吸収分割の対価を算定し決定しなければなりません。分割事業の評価作業は公認会計士や税理士に依頼して行うこととなりなす。

吸収分割の手順
①承継会社と吸収分割契約を締結します。
契約の内容は、承継会社が株式会社の場合は、
承継会社が承継する資産、債務、雇用契約、その他の権利義務等に関する事項や吸収分割の効力発生日等を定めます。
②吸収分割契約に関する資料を株主総会2週間前の日から合併契約で定めた吸収合併の効力発生日までの間、会社の本店に備えます。
③効力発生の前日までに株主総会で承認決議
④吸収分割する旨と1カ月以上の期間を定めてその期間内に異議を述べることができる官報に公告そして債権者に通知。
 その期間内に異議を述べなかった債権者は分割を承認したものとみなされます。
⑤吸収分割による変更の登記
⑥分割の対価で、現金で支払う。
 分割の対価として、従前は、承継会社の株式を交付することになっていましたが、2007年5月より金銭で支払えるようになりました。

吸収分割に伴う問題
分割会社が吸収分割後、自己破産をする場合、吸収分割に相応した金額を受領していないと、分割会社の債権者から偽装倒産である等の異議が出され、最悪、破産管財人によって、その吸収分割が債権者の利益を不当に害するものとして取り消される可能性があります
吸収分割後に分割会社の自己破産を申しててる場合、公認会計士や、税理士に分割した事業部門の評価をしてもらい、評価書類を作成しておきます。

事例
H株式会社(コンピュータソフトの開発)
本店 賃貸物件
株主 X(代表)、Y(取締役)、Z(取締役)
従業員 100名
取引先 医療法人、開業医
資産 レセプト(診療報酬明細書)作成システム及びカルテ作成システムのリース、メンテナンス、一件平均5万円で400件
借入 銀行3億円 2%金利 XYZ連帯保証
①YとZにも医療用システム開発事業を切り離し譲渡し、その対価で、ゲームソフト開発販売事業部門だけが残った会社を
任意整理して良いのか意向を確認
②公認会計士に、医療用システム開発販売事業の評価を依頼・・2億4千万円~3億6千万円の評価
③事業の譲渡先を探す。
④複数のM&Aアドバイザーに声おかけ、1社より吸収分割での申し出あり
⑤吸収分割契約締結
⑥吸収分割契約に関する資料を株主総会の2週間前から本店に備え置く
⑦効力発生日の前日までに株主総会で吸収分割契約についての承認決議
⑧吸収分割する旨と1カ月の期間を定めてその期間内に異議を述べることができる旨の官報掲載
⑨吸収分割の変更の登記
⑩吸収分割の対価2億8千万円を現金で受領
⑪ゲームソフト開発事業部門の50名に1か月前に解雇通知、解雇までの2カ月分の給与2000万円支払い
⑫ゲームソフト開発事業部門の設備の処分、明け渡し費用1000万円支払い
⑬H株式会社の自己破産
⑭吸収分割の対価2億4千万円を破産管財人に引き継ぎ
⑮第2回目の債権者集会で破産管財人から配当が完了した旨の報告、破産手続きを終了する旨の決定(廃止決定)
⑯H株式会社は破産手続きの終了をもって消滅、XYZ個人については銀行に対して約6000万円の連帯債務が残った。
⑰XとYはこの連帯保証債務以外にもいくつか借り入れがあったためその後自己破産を申し立て免責の決定を受けた。
⑱Zは銀行から債権を譲り受けたサービサーと交渉し、自宅売却で得た800万円一括支払いで和解。


2013年2月18日月曜日

経営の見える化

経営について、株式会社武蔵野代表小山昇さんが書いた本の紹介です。
①社長の思いをいかに伝えるか・・・
  人が野球をみて楽しいのは「ルール」があるから、「スコアボード」がある、「道具」がある。
もし、これらがなければまったく話にならないのです。
経営も同じでこの三つの要素が必要になります。
会社の「ルール」・・規則、規定、方針
会社の「数字」・・明確な目標
会社の「道具」・・事業構想、経営目標、利益計画
これらがなければ経営は”行き当たりばったりの経営”になってしまいます。
  現状、事業計画を立てている中小企業は1~3%とされています。この論理からすれば草野球にも劣る野球にならないゲームをしていることになります。

この経営計画書を作成しようとしても最初からオリジナルなものを作るのは大変ですから、他をまねて作成すればいいのです。とりあえず作って、徐々につじつまを合わせて、自分の会社にあったものにしていけばよいのです。

経営計画書は作成しただけではいけません。経営計画書に「魂」を入れなければなりません。魂を入れるとは・・経営計画発表会という儀式で魂をいれます。社長自ら、社員、金融機関、来賓を集めて、ホテルなどの会場を借りて行うのです。

②決算書は社長の通信簿
   銀行は貸借対照表(BS)を見て融資そます。銀行の信頼(格付け)を上げるには「資産や負債の重点を移していく」必要があります。つまり
「資産の部」・・・固定資産を増やすより流動資産を増やす。
          棚卸資産を増やすなら販売して売り上げを増やす。
          回収は売掛金より現金にする。
          定期預金と普通預金のバランスを考える。
「負債及び純資産の部」・・・銀行は簡単に資金調達ができる負債の勘定科目が大きいと「信用の低い会社」とみなし、反対に長期借入金など簡単に資金調達ができない負債の勘定科目が大きいと「信用力が高い」とみなします。そこで
          支払手形を増やすより長期借入金を増やす。
          短期借入金を増やすより長期借入金を増やす。

2007年上場会社の多くは赤字で倒産しました。ところが2008年に倒産した上場企業の三分の1は黒字にもかかわらず倒産してしまいました。「現金」がなかったのです。利益が出ていても売掛金で手元に現金がなければ血液と同じで流れが止まってしまえばそれまでです。
貸借対照表(BS)の意味を把握し、現金化しやすい資産を増やしておけば黒字倒産を防止できます。





 

2013年2月3日日曜日

ジニ係数

新聞のコラムで中国のジニ係数についての記事がありました。
その中で毎年7%以上の経済成長を誇って、世界第2の経済大国となったものの、格差の拡大がつづいていて、所得格差の程度を表す数値がジニ係数ですが、その数値が0.4を超えていて、社会の暴動の危険性がある数値を超えているとの記載がありました。このジニ係数日本が0.33、ドイツが0.3アメリカが0.38となっています。0に近ければ平等、1に近ければ不平等とされています。計算式がちょっとわかりづらいので省略しますが、中国では最近のジニ係数は公表されていませんが、中国のある大学では0.6を超えているとの見解を発表しています。その中では中国からは目が離せないとありました。