2013年2月20日水曜日

会社分割

会社分割
(小さな会社の上手なたたみ方)赤井勝治著より
売却する会社を「分割会社」
買い受ける会社を「承継会社」
承継会社がすでに存在する会社の場合「吸収分割」
承継会社が新たに設立する場合は「新設分割」
会社をたたむ場合に利用されるのは通常「吸収分割」
会社がいくつかの事業を営んでいて、その中に一部門だけ採算の取れている事業がある場合や、他の会社がその事業を譲り受け、その会社のた事業と連携させれば採算が取れる等、該当する事業部門だけを分割して承継会社に売却できます。
そして、その売却代金を分割後に残った会社の任意整理のための費用に充てたり、自己破産の費用に充てるなどして、会社をたたむことが考えられます。

承継会社を探す
経営者自らが探し、地元の商工会議所、取引銀行等の中小企業のM&Aの相談窓口や、中小企業のM&Aの仲介業者を利用する。
承継会社が見つかれば、次は吸収分割の対価を算定し決定しなければなりません。分割事業の評価作業は公認会計士や税理士に依頼して行うこととなりなす。

吸収分割の手順
①承継会社と吸収分割契約を締結します。
契約の内容は、承継会社が株式会社の場合は、
承継会社が承継する資産、債務、雇用契約、その他の権利義務等に関する事項や吸収分割の効力発生日等を定めます。
②吸収分割契約に関する資料を株主総会2週間前の日から合併契約で定めた吸収合併の効力発生日までの間、会社の本店に備えます。
③効力発生の前日までに株主総会で承認決議
④吸収分割する旨と1カ月以上の期間を定めてその期間内に異議を述べることができる官報に公告そして債権者に通知。
 その期間内に異議を述べなかった債権者は分割を承認したものとみなされます。
⑤吸収分割による変更の登記
⑥分割の対価で、現金で支払う。
 分割の対価として、従前は、承継会社の株式を交付することになっていましたが、2007年5月より金銭で支払えるようになりました。

吸収分割に伴う問題
分割会社が吸収分割後、自己破産をする場合、吸収分割に相応した金額を受領していないと、分割会社の債権者から偽装倒産である等の異議が出され、最悪、破産管財人によって、その吸収分割が債権者の利益を不当に害するものとして取り消される可能性があります
吸収分割後に分割会社の自己破産を申しててる場合、公認会計士や、税理士に分割した事業部門の評価をしてもらい、評価書類を作成しておきます。

事例
H株式会社(コンピュータソフトの開発)
本店 賃貸物件
株主 X(代表)、Y(取締役)、Z(取締役)
従業員 100名
取引先 医療法人、開業医
資産 レセプト(診療報酬明細書)作成システム及びカルテ作成システムのリース、メンテナンス、一件平均5万円で400件
借入 銀行3億円 2%金利 XYZ連帯保証
①YとZにも医療用システム開発事業を切り離し譲渡し、その対価で、ゲームソフト開発販売事業部門だけが残った会社を
任意整理して良いのか意向を確認
②公認会計士に、医療用システム開発販売事業の評価を依頼・・2億4千万円~3億6千万円の評価
③事業の譲渡先を探す。
④複数のM&Aアドバイザーに声おかけ、1社より吸収分割での申し出あり
⑤吸収分割契約締結
⑥吸収分割契約に関する資料を株主総会の2週間前から本店に備え置く
⑦効力発生日の前日までに株主総会で吸収分割契約についての承認決議
⑧吸収分割する旨と1カ月の期間を定めてその期間内に異議を述べることができる旨の官報掲載
⑨吸収分割の変更の登記
⑩吸収分割の対価2億8千万円を現金で受領
⑪ゲームソフト開発事業部門の50名に1か月前に解雇通知、解雇までの2カ月分の給与2000万円支払い
⑫ゲームソフト開発事業部門の設備の処分、明け渡し費用1000万円支払い
⑬H株式会社の自己破産
⑭吸収分割の対価2億4千万円を破産管財人に引き継ぎ
⑮第2回目の債権者集会で破産管財人から配当が完了した旨の報告、破産手続きを終了する旨の決定(廃止決定)
⑯H株式会社は破産手続きの終了をもって消滅、XYZ個人については銀行に対して約6000万円の連帯債務が残った。
⑰XとYはこの連帯保証債務以外にもいくつか借り入れがあったためその後自己破産を申し立て免責の決定を受けた。
⑱Zは銀行から債権を譲り受けたサービサーと交渉し、自宅売却で得た800万円一括支払いで和解。


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